介護事業所のなかでも夜勤のある職場は、入所型、訪問型ともに存在する。特に夜間の介護をメインにしたサービスが、夜間対応型訪問介護である。夜間対応型訪問介護における夜間とは、22時から翌朝の6時まで含む時間帯としており、その時間帯に介護職が利用者の居宅を訪問し、主に、おむつの交換や体位の変換、トイレの介助などを行う。ほかにも、身体の清拭など、30分程度の身体介護を行うのが仕事だ。夜間対応型訪問介護では、定期巡回と臨時対応、二種類のサービスを提供している。
定期巡回というのは、夜間帯の決まった時間に介護職が利用者の居宅を訪問し、寝返りの補助や排泄の介助などの身体介護サービスを提供することだ。臨時対応は、利用者から緊急通報を受けた際に訪問介護職員が利用者のもとに駆けつけることだ。事業所にもよるが、ケアコール端末などを利用者にもたせ、それを通じて利用者が通報することで当番の職員かオペレーターが対応し、巡回中の訪問介護職員への連絡や救急車の手配を行うことがほとんどだ。よく見られる通報例は、夜間にベッドから落下してしまった利用者が自分でベッドに上がれなくなったり、体調が悪くなったので救急車を要請したいといった内容が挙げられる。このように、利用者は必要に応じて、定期巡回と臨時対応のサービスを利用できる仕組みだ。実際のサービス提供の時間帯は、各夜間対応型訪問介護事業所で設定することは可能だが、8時から18時までは、夜間帯のサービスを提供できないことになっている。